能 阿漕 (あこぎ)




あらすじ

 伊勢の国、阿漕が浜は伊勢神宮に献上の魚を捕る神聖な漁場。
 そこで密漁して捕まり、処刑された漁師の幽霊が旅僧と言葉を交わし古歌を引いて物語の末、網を引く様を見せるうち、にわかに起こる疾風の内に消え失せる。
 僧が弔っていると漁師の幽霊が現れ 漁の有様を業として繰り返した後、すさまじい地獄の責め苦を仕方噺に見せる。
 昔の人は殺生戒を特に重んじていたようで、鵜飼い・善知鳥などの類曲中の最難曲とされています。

演者から一言

 「痩男」という面を使う曲の中で一番慣れが要求される曲です。
 釣竿・四手網の扱い(あまり他の曲では使わないもので、釣り糸や網を引く所作が特殊)が見せ場で、その動きに合わせて謡の速さも急激に変化していく。
 見所、聞き所の多い曲です。


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