能 菊慈童 (きくじどう)



あらすじ

 永遠の若さを得た美少年が、菊の作り物に囲まれすがすがしく楽を舞う明るく美しい祝言曲です。
 三国志で有名な魏の曹操の長男曹丕は自ら即位して文帝と名乗る。その時代の話。
 山から流れ出る薬の水の源を訪ねよとの勅命を受けた探検隊は、山奥の藁屋に少年の姿の仙人を見つける。
 七百年前、周の穆王の枕を誤ってまたいだ罪でここに流罪となった慈童は、形見に賜った枕に書かれた観音菩薩普門品の一節を菊の葉に書き写し、そこから滴る露が薬となって長寿を得たと帝にそれを捧げ、一同にも振る舞って庵に帰るというめでたい曲。

演者から一言

 藁屋に一畳台と作り物が多いため、舞台が小さめの鎌倉能舞台では一寸舞辛いかも……。七百歳の少年?らしく綺麗にゆったりと舞いたいですね。
 小品ですが分かり易く、始めての方にはお奨めです。


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