能 木曽 (きそ)



あらすじ

 木曽義仲は五万余騎の軍勢を従え平家十万余騎と相対していたが、●(人偏に具)利伽羅谷で一気に決着を付けようと自ら一万余騎を引き連れ埴生に陣を取った。気がつけばそこは八幡宮の領域、吉兆と喜んだ義仲は軍師の大夫坊覚明に命じて必勝祈願の願書を書かせる。 覚明は仰せに従い願書を書き上げ高らかに義仲の御前で読み上げ、その後八幡宮に奉納する。すると地元の民が門出を祝い酒・肴を持って来たので義仲はそこで酒宴を開き覚明に舞を舞わせる。すると八幡宮の方から山鳩が来て義仲の旗に飛び翔って願書納受の意を表した。軍勢の士気は上がり義仲は●(人偏に具)利伽羅谷で平家を打ち破った。

演者から一言

 シテの読む「願書」が安宅の「勧進帳」正尊の「起請文」と並び「三読物」と言われる重い習いになっています。静かな中に力強さを持って丁寧に読みたいと思います。舞は「長袴」を履いての男舞なので裾のさばきや袖の扱いを慎重に、でもダイナミックに舞いたいですね。


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