能 第六天 (だいろくてん)



あらすじ

 「太平記」を出典とする五番目鬼畜物。
 解脱上人が伊勢参宮を志し渡会宮に着いたところ二人の女に行き会う。女は御裳濯川の謂われや渡会宮の由来を語り、僧に仏法の障碍が起こるであろうと神の告げを言い残して姿を消す。
 上人が神前で心を澄ませていると、一点俄にかき曇り、第六天の魔王が多くの群鬼を従えて現れる。
 上人が観念して合掌すると空から素戔嗚尊が出現され、宝棒で魔王達を打ち懲らしめ魔王に二度とこの地に現れぬと約束させる。そして天に帰り、魔王も退散して消え失せる。

演者から一言

 滅多に出ない希曲です。
 前シテが伊勢神宮の使いの女性で、後シテが魔王という全く違うキャラクターなので、謡いわけ、演じわけが難しいですね。
 前シテは神の使いらしく清々しく颯爽とやりたいですし、後シテはスケールの大きい中にもユーモラスな気の小さい魔王を表現できればと思っています。


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