所用で京の都に滞在中の太宰府の神主と契りを込めた京の女は、成長した我が子を父に会わせようと太宰府に赴いた。九州までたどり着いた女は、宿の主に神主への取り次ぎを頼み手紙を託すも、折悪しく神主は不在であり、運悪く神主の妻がその手紙を見てしまう。怒った妻は都へ帰れと無情な返事を書き、京の妻子を宿から追い出せと命じる。宿の主は命に殉じ、つれない返事を女に渡して親子を追い出す。悲観した女は我が子を残し、愛染川に身を投げてしまう。程なく、その現場で人々が騒いでいるところに神主が通りかかる。途方に暮れている子供の持つ手紙を見、我が子と気付いた神主は自らの行いにより、京の女を殺してしまった事を悔やむ。やがて、神主が母親を蘇らせようと天神に祈誓すると、天満天神が現れ母親を蘇らせるのであった。
|