光源氏の正妻葵上は物怪に悩まされている。 巫女の梓の弓に招き寄せられた怨霊は六条御息所の生霊と名乗る。 源氏の愛を失った車争いの恥辱の恨みを述べるうちに激情にかられ、葵上を打ちすえ破れ車に載せて連れ去ろうとする。 急ぎ招かれた横河の小聖の祈祷に悪鬼となって現れた御息所は必死に戦う。しかしついに敗れふたたび現れぬ来ぬことを誓って消え失せる。 上演度数のトップを常に争っている超人気曲。梓之出の小書でより緊密な演出となります。源氏物語を題材とする能の代表作です。
「道成寺」「安達原」と共に般若を使う曲。 シテが六条御息所なので、あまり強くなりすぎて男にならないようにしないといけません。が、女の嫉妬心を描いた曲なので弱くなるのも変ですし……。 型のキレでどこまで強さが出せるかが鍵です。