兄頼朝の手を逃れて義経主従は山伏に扮し安宅の新関所にさしかかる。警戒厳重なさまを見て、弁慶の知恵で義経は強力(下男の山伏)姿となり関を通ろうとする。 斬ろうとする関守に、必死の祈り・勧進帳の空読み、さては強力(義経)を金剛杖で打ち据えるなどの機転を用い、辛うじて関を通り抜ける。 弁慶は非礼を詫び、義経は神仏の加護と共に涙にむせぶ。なおも疑う関守は後を追い、酒にことよせて本体を見破ろうとする。弁慶は一同を戒め、舞などを舞って「心許すな」と皮肉な挨拶を残して奥州へ…。 超大曲の一つ。
歌舞伎十八番の一つ「勧進帳」の原曲です。 能独特の迫力、気合いを見るには最適。 登場人物も多く、見せ場も多い。 勧進帳をいかに力まず、しかし力強く読むか、永遠の課題です。