僧が春日大社を詣でると女が木を植えているので尋ねると、女は神に捧げるために木を植えるのだと語り、その後僧を猿澤の池に案内し読経を頼む。 僧が誰の弔いかと尋ねると女は昔ある采女がこの池に身を投げたと語り、我こそその女の幽霊と名のり池に消える。 その夜僧が弔っていると采女の幽霊が現れ当時の様子を見せ、更なる弔いを頼み消え失せる。
身を投げた采女の哀れさ、暗さよりも、当時の華やかな装いを見せることに主題が置かれている曲なので、いかにも綺麗に勤めたい一曲です。 「美奈保之伝(みなほのでん)」の小書は、池の上で舞を舞う心なので、足拍子を踏まない独特の舞になります。