相模国江野浦の海上に島が出現し、そこに弁財天が現れたとの報を受け欽明天皇が勅使を使わした。江野島に勅使が着くと二人の漁師に出会ったので、島の謂われを尋ねると二人は島が出来た当時の事を語り、鎌倉深沢に住む龍神が人々に厄災をもたらし困っている時に弁財天が現れ「悪行を止めれば汝と夫婦の語らいをなすべし」と告げ、龍神がこれを承伏し龍口明神となり江野島の弁財天と夫婦神となって国土を守ると語り我こそ五頭龍王と名乗り姿を消す。
その夜弁財天が十五童子を従えて現れ、宝珠を勅使に捧げ月下に舞楽を奏していると五頭龍王もその姿を現し国土守護を誓い海中に入り、弁財天も虚空に上がってゆく。
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