山伏姿のワキが大勢出る爽やかな切り能。武装した頼光たちに退治される大江山の鬼の童話風の能です。
光源頼光(ワキ)は、丹波の国大江山に住む鬼神退治の勅命を一条の帝から受け、四天王を始めとする家来の強者を引き連れ、山伏の姿に変装して、鬼の館に向かう。
館の主、酒呑童子(しゅてんどうじ・シテ)は真の山伏と思い宿を貸し、自分が酒呑童子と呼ばれるのも酒が好きなためであると言い、頼光一行にも酒を勧める。
酔うほどに自らが比叡山を追われて国々を巡ってこの山に来たいわれを語り、構えてこの隠れ家を他言してくれるなと頼むが、やがて酔いつぶれて寝所に消える。
頃合いを見て武具に身を固めた頼光が寝所を覗くとそこには童子の姿はなく身の二丈はあろうかという鬼が眠っていた。
主従力を合わせて斬りつけ、激しい戦いの末に鬼神の首を打ち落とし、都に凱旋していった。
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