能 花月 (かげつ)


あらすじ

 子供を失い、世の無常を感じた左衛門は出家して諸国行脚の末都に上る。
 清水寺門前の男は友達の喝食(僧の身の回りの世話などする出家前の少年)花月を呼び出し、鴬を射る真似をさせたり清水寺の縁起物語を舞わせたりする。
 左衛門は吾が子と気付き名乗る。花月は友との名残に羯鼓を打ち天狗にさらわれて諸国を回った様を見せ、父とともに仏道修行の道に出る。
 中世人に愛好された美少年の遊舞をテーマとした小品の人気曲。

演者から一言

 小品ですが「小唄」「弓之段」「クセ」「鞨鼓(かっこ)」「キリ」と見せ場が多く、殆ど動きっぱなしの曲です。
 「弓之段」で弓に矢をつがえる型は面を掛けていると、かなり厄介な動きで気を使います。間狂言とのやりとりもいかにも軽やかにほのぼのとやりたいですね。
 弓矢・扇・ばちと持ち物が次々に変わるので、油断してるととんでもないミスをすることがある曲です。


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