能 杜若 (かきつばた)



あらすじ

「からころも  きつつ馴れにし妻しあれば  はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ」
と在原業平に詠まれた 杜若の精が、 美しい女人の姿で艶やかに舞う、代表的な三番目物。
「恋之舞」の小書で、囃子の面白さが増します。

演者から一言

  三番目鬘物の中でもシテの謡が多い曲で、途中で文句が行ったり来たりになり易いので気を使います。
 普通にやると80分近くかかる長目の曲ですが、「恋之舞」の小書(特殊演出)がつくと謡が詰まり、舞が長くなって60分位になります。
 舞の調子が途中から盤渉(ばんしき)という高い調子になり、業平の衣装を身につけた杜若の精が、沢辺の水に我が姿を映して業平を偲ぶ型が見せ場です。
 比較的よく上演される人気曲ですが、いかにも初夏のさわやかな雰囲気の曲目です。


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