能 清経 (きよつね)

kiyotune

あらすじ

 左中将清経は平家の将来を悲観し投身する。
 家来淡津三郎の知らせに北の方は、「見る度に心尽し(筑紫)の髪(神)なれば 憂さ(宇佐)にぞ返す元の社に」と歌を添えて遺髪を宇佐八幡に奉納させる。
 夢に現れた清経はこれをなじるが、妻は、天命を待たず自殺したことを恨む。
 清経は宇佐八幡の神託にすべてを諦め月明の夜船を出し、心行くまで笛を吹き、朗詠の後投身した次第を仕方噺に見せ、最後の十念で成仏し得たことを告げる。

演者から一言

 小書に有名な「恋之音取(こいのねとり)」があり、武将と言うよりは公達としての雰囲気を大事にしたい曲です。
 謡いも型もたっぷりとあり、舞い甲斐のある名曲ですが、ツレは座ったきりで謡が多く神経をすりへらす役です。
 船中で笛を吹く型や西方浄土に手を合わせた後に海に沈む場面などは、演者の気持ちがはっきりと出てくる型所です。


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