西谷東谷の僧の合同の花見の宴に闖入する山伏。皆嫌って去る中に一人残る少年牛若。 素性を知って憐れんだ山伏は共に花見をし、やがて鞍馬山の大天狗と名乗り、天翔って姿を消す。 深夜に僧正が谷に赴いた牛若は、本体を現した天狗から兵法を習う。天狗は宿敵平家を討ち滅ぼす牛若の未来を見せて姿を消す。 人間に幸せを与える唯一の天狗物です。大佛次郎の「鞍馬天狗」はこの曲を好んで 口ずさむ神出鬼没の勤皇志士が主人公。
鞍馬山の天狗が牛若丸に兵法を教える曲で、白頭の小書によってシテの面が変わり、全体の位が重くなる。見た目ゆっくりで楽そうですが、実はすごくしんどい曲。 子方の牛若丸と花見の稚児達にもご注目。稚児は子供の初舞台にもっとも多く選ばれる役です。又、牛若は玄人の子供なら一度は勤めるべき役です。