一条天皇は夢の告げに従って三条小鍛治宗近に、御剣を打てとの勅命を下す。良い相槌が居ないのに悩んだ宗近は、神力を頼もうと氏神の稲荷明神に参詣しようとする。 途中美しい少年が呼び止め、勅命の下ったことを言い当て、古今の名剣、ことに草薙の剣の奇跡を物語り、支度して我を待てと言い置いて雲に乗って去る。 やがて狐の姿で現れた明神の使は相槌を勤めて宝剣を打ち上げ、勅使に捧げる。
古今の名剣のことを語るクセは地謡の聞かせ所。クセの後半はシテの切れ味鋭い型が見せ場になります。 後シテでワキと共に剣を打つ型はこの曲独特の雰囲気を作っていますが、当舞台のように近くだと大迫力ですよ!