病に伏した楊貴妃を気遣う玄宗皇帝の前に、一人の老人が現れ、枕元に鏡を置けと告げて消え失せる。 鏡を置くと中に鬼神の姿が映り、皇帝は刀を抜いて戦うが見失う。そこに鍾馗の霊が現れ、鬼神を成敗し、楊貴妃の病を治し、今後の守護を誓って消え失せる。
「皇帝」は楊貴妃を子方にした曲で、 ワキの玄宗皇帝が病床の楊貴妃を案じる場面に 地謡が謡う「寿なれやこの契り。天長く地久しくて尽くる時もあるまじ」の文句が結婚式のお祝いにピッタリなことが知られているくらい(玄人うちでは・・・)の滅多に出ない希曲ですが、動きも多く、見所、聞き所の盛りだくさんな名曲です。