能 七騎落 (しちきおち)



あらすじ

 石橋山の合戦に惨敗した頼朝一行は海岸から船で逃げようとする。人数を数えると八人。祖父為義・父義朝の先例を思った頼朝は不吉と 一人降りよと命ずる。この極限状況で親子争った末自ら降りようとする土肥実平に、子供の遠平は身代わりを申し出る。
 必死の戦場に愛児を残す父の心中 。
 やがて追い付く和田義盛の船に奇跡的に助けられた遠平が。感涙に咽んだ実平は喜びの舞を舞い、やがて頼朝は天下平定する。

演者から一言

 この曲は難易度の高い曲で、芝居がかったストーリーを いかに面白く かつ能らしく 見せるかに、シテの技量が問われるような気がします。
 いかにも武士らしい気迫と潔さがお客様に伝わるよう演じたいと思っています。子方もただ覚えるだけでなく役として合戦における武士の子供の雰囲気が、出せるとさらに面白い能になるでしょう。
 下船を巡っての親子の別離と再会。シテ実平の喜びの舞など見せ場も多く、あまり上演される機会は 少ないが名曲です。


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