能 俊寛 (しゅんかん)



あらすじ

 平家転覆の謀破れ、絶海の孤島鬼界が島に流された、俊寛僧都・康頼判官・成経少将の三人は肩寄せあって暮している。
 都から赦免使が着き、狂喜して赦免状を読み上げるが、俊寛の名前だけが無い。一転奈落の底に突き落された俊寛は不自由な目で繰返し読み、これは夢かと狂乱する。
 二人が乗って出ようとする船の纜に取りすがる俊寛。船頭は纜を切って船出する。浜辺に泣き伏す俊寛、大声で慰め励ます二人。それも次第に遠ざかる。
 平家物語の中でも屈指の悲劇です。

演者から一言

 シテが一人取り残されそうになった時に、取り乱して人間くささを出すか、あくまでも立派に「シテ」として振る舞うかで、演出ががらっと変わってしまいます。
 前半のツレとのやりとり、後半のワキとのやりとりも気合いが揃わないと芝居にならないのでお互いに神経を使います。


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