一遍上人が誓願寺にて六十萬人決定往生の御札を人々に授けていると、その中の一人の女が、札の六十萬人決定往生の意味を上人に尋ねる。
上人は「六字名号一遍法・十界依正一遍體・萬行離念一遍證・人中上々妙好華」の四句の文の上の字を取った謂われを教え、念仏の功徳などを説く。
女は喜び、上人に誓願寺と打たれた額を除けて六字の名号に書き換えるように頼む。
上人が不審に思い尋ねると、女は「我こそこの寺に墓のある、和泉式部」と名乗り、消え失せる。
上人が額を書き換え、仏前に手向けると、和泉式部が歌舞の菩薩となって現れ、誓願寺の縁起を語り、舞楽を奏し、かの額を礼拝する。
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