蝉丸の宮は、醍醐天皇の第四の皇子に生まれながら盲目だった。これも前世の報いと帝は逢坂山に捨てさせる。玉楼金殿は藁屋に、着物は簑に、伴の者は杖一本。博雅の三位の好意で好きな琵琶一つを心遣りに暮らしている。 姉の逆髪は生まれついての狂人で諸国を放浪していたが、逢坂山で弟と巡り合い、互いに身の境遇を嘆きつつまた別れていく。 高貴な身分の二人が悲惨な境遇に身を置く深刻な曲です。
普段は逆髪がシテで蝉丸はツレです。「替之型」の小書がつくと蝉丸がシテになります。 盲目の皇子ですから、ちょっと線が細くて品の良いイメージで演じたいと思っています。座っている時間が長いので結構しんどいかもしれませんね。