歌合せに小野小町と対戦することになった大伴黒主は小町の家に忍び入り、歌を盗み聞いて万葉の草子に書入れ、これを証拠に帝に古歌と訴える。 万葉を諳んじている小町は墨色から後の書入れと見破り、貫之の執り成しで勅許を得て草子を洗い、書入れを消して潔白を証明する。 いたたまれず席を蹴って自害しようとする黒主を呼び止めた小町は、これも和歌への執心の証拠と寛大に許す。帝も許し、小町は勅命によってめでたく舞う。 登場人物も多く、華やかな名曲です。
小野小町は数多くの曲に登場しますが、若い女性としての小町を主役とする曲は 草子洗小町だけです。 他には百才の老婆となった小町を、能独特の美意識を持って描いた 「卒塔婆小町」「鸚鵡小町」等ありますが いずれも上演時間が2時間近い超大曲です。