南都巡礼の旅僧が初瀬川の辺りにさしかかると小舟に乗った女が上ってくるので声を掛け、声を掛け共に御堂に参詣する。更に二本の杉案内されたので僧が「二本(ふたもと)の杉の立所(たちど)を 訪ねずは〜」の古歌の謂われを尋ねると光源氏の時代に此処で起こった事柄を語り、我こそ玉鬘の幽霊と名乗り姿を消す。僧が弔っていると玉鬘の幽霊が現れ妄執に苦しむ身の上を嘆くが、僧の回向により成仏して消え失せる。
この曲は恋人を思うでは無く、母でも無い。何に対して妄執があり、何を救って欲しいのかが良くわからない曲で、恋愛に憧れる少女・・・オジサンには一番理解できない物語です(笑)でも前半は棹を持ち小舟に乗った女であり。後半は狂女として狂おしく舞う曲で、見所の多い面白い曲です。