平家の公達経正は、一の谷の合戦で弟の敦盛を庇って逃げ遅れ、自刃して果てる。 経正が幼時を過ごした仁和寺ではこれを悼んで、嘗て経正に預け賜って置かれた名器青山の琵琶を仏前に手向け、管弦講(音楽葬)で供養する。 深夜、経正の幽霊が幻のように現れ、弔いを喜んで手向けの琵琶を弾きしばしの夜遊を楽しむが、戦死者の宿命として修羅の苦患を受ける姿を恥じて、灯火に飛び入って消え失せる。
小品だが型も多くやり甲斐がある曲です。扇を使って琵琶を弾く型は珍しい。地謡の拍子当たりも結構難しいです。