北国の僧が都に上り千本の辺りまで来ると時雨が降り始めたので近くにあった亭(ちん:高台など眺望の良い所に建てられたあずまや)で雨宿りをしていると一人の女が現れ亭が藤原定家が時雨の和歌を詠んだ場所と教え、その後式子内親王の御墓に僧を案内する。
そこで僧が見たものは葛に覆い隠された御墓。これが定家と密かに契りを結んでいた内親王が亡くなった後定家の執心が葛となって取り憑いている姿と女は語り、我こそ式子内親王と言い姿を消す。
僧が弔っていると法華経の功力で成仏できると喜び報恩の舞を舞う。しかし再び葛が這い纏いその姿は御墓の中に消え失せる。
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