九州日暮の里の当主、日暮殿は訴訟のため都に上るが十年以上帰ってこない。留守を預かる左近尉は秋の刈り取り前に田に群がる鳥を追うため、日暮殿の嫡子花若に舟に乗り鳥を追えと奥方に話す。奥方は主君の子にそのような事はさせられないと拒否するが、今後は一切の世話をしないと脅され親子で舟に乗ることを了承する。
翌日左近尉と共に舟に乗り鳴子や鞨鼓で鳥を追う母子。それを遠くから面白く眺めていたのは都から戻った日暮殿だった。
自分の妻子とは思わず舟を近くに寄せさせ、見るとそこには妻子が。日暮殿は左近尉を問い詰め、怒りのあまり討とうとするが妻子に諫められて左近尉を許し、家は末永く繁盛した。
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