諸国一見の僧が蘆屋の里で日が暮れ河原の堂に泊まると夜中に舟に乗った怪しい男が現れる。
僧が声を掛けると自分は近衛院の御代に源頼政に討たれた「鵺（ぬえ）」の亡心と名乗り、自らが討たれた有様を見せ、弔いを頼み舟に乗って消えうせる。夜もすがら僧が経を読み弔うと鵺の亡心が当時の姿で現れ、 頼政が自分を討って名を上げ帝から御剣を賜った様子などを仕方話に見せ夜明けとともに成仏して消え失せる。

　前後のシテが鵺の立場、頼政の立場になって仕方話を見せるのがポイント。
変わった型が多く動きにキレが要求される。「猿飛出（さるとびで）」と言う専用面が有り、観世喜之家の面が有名。
鵺とは顔が猿、尾が蛇、手足が虎と言われる想像上の生き物。