美濃の国野上宿の遊女「花子」は呼ばれた座敷に居合わせた吉田少将と恋に落ちるが、帰路の迎えを待つ間座敷に上がらずにいたために主人に追い出させる。 その後再会を祈念するために賀茂神社に参詣したところ、同じ思いで参詣にやってきた吉田少将と以前取り替えた扇の縁により再開を果たす。 間狂言の女主人とシテとの噛み合わないやり取りが前半の見せ場。後半は舞が中心となり、見どころの多い名曲です。
「扇」がキーワードの曲でから扇の扱いには、特に神経を使います。いかにも大切な「形見」という感じが出せれば良いのですが 使用する中啓(扇)はこの曲専用の柄を用意しています。(本来は観世流用では無いそうですが…) 遊女ですからそんなに重々しくなく、丁寧に舞いたいですね。