宮中で管弦の催しがあった時、富士と浅間という ともに太鼓の名人同志が 芸人の意地の張合いから争い、富士が殺された。 富士の妻は虫の知らせか、娘を連れて上京する。役人からその死を知らされ形見の舞装束を渡される。妻はこれをかき抱いて泣く。 やがて舞装束を身に付けた妻は、こうなったのも太鼓ゆえ 太鼓こそ夫の仇と、娘とともに太鼓を打ち、 気持を晴らして帰る。 実話を能楽化したもので、類曲に主人公を幽霊物とした「梅枝」があります。
子方との掛け合いや 同吟(一緒に謡う部分)が長いので、子供との稽古をしっかりしないと具合の悪い曲です。