海を馬で渡るという快挙で大功をたてた源氏の武将佐々木三郎盛綱は、その児島の新領主として国入りする。うらめしげに泣く老婆に気付き尋ねると、道しるべをして盛綱に殺された若者の母で、自分も殺せと迫る。 後悔した盛綱はその時の有様を物語り、補償を約束し、跡を弔う。夜半に若者の亡霊が現れ、恨みをのべてその夜の有様を仕方噺に見せ、復讐をしようとするが、弔いの功徳に成仏する。 痩男物の最高の難曲で、九番習となっています。
前シテは息子をワキ(佐々木三郎盛綱)に殺された母親なので、ワキから気をそらさないように気合を入れてしっかりと演じたいです。 逆に後シテは殺された漁師の幽霊ですから暗く陰気に迫っていきたいですね。