下野の住人 牧野小次郎は父の敵を討とうと、出家している兄の助力を求め説得する。敵の利根信俊は夢見を気にして金沢八景の三島神社に参詣しようと出掛ける。放下に変装した二人は禅問答を仕掛けながら隙をうかがうが、敵も豪勇の士、中々隙を見せない。曲舞を舞い羯鼓を打ち、小唄をうたう芸尽しの末、油断を見すまして目出度く本懐を遂げる。当時の風俗もうかがわせる、楽しい曲です。
短気で血の気の多い弟(ツレ)と分別臭い戦略家の兄(シテ)による仇討ち話なので芝居っけを持って面白く勤めたいと思います。後半は芸尽くしなので酒宴の舞らしく粋に舞いたいですね!