能 三井寺 (みいでら)



あらすじ

 人商人に 我が子千満丸をさらわれた母、清水寺に参詣し 「三井寺に参れ」との夢の告げを受ける。
 そして三井寺に着き、寺男の突く鐘の音の面白さに惹かれ、自らも鐘を突こうと鐘楼に近づくのを住職にとがめられるが、色々と故事を語って僧を説き伏せ鐘を突く。その姿を見た千満丸が母と気付き互いに名乗り、喜んで親子一緒に故郷に帰る。
 月下の琵琶湖の描写の美しい、清澄な舞台です。

演者から一言

 鐘楼の作り物が大変で 間狂言は習い物で、子方がとっても足が痛くて可哀想で…といろいろ考えることが多いため、鎌倉能舞台ではあまり出ない曲です。
 章的にも名作だと思いますし、型も「鐘の段」など見せ場も多い大曲です。
 間狂言が鐘を打つ所作 (鐘の音を声で表現する)に注目してください。


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