能 盛久 (もりひさ)



あらすじ

 一の谷の合戦で、武運拙く捕虜となった主馬頭平盛久は、年来深く信仰する清水の観世音に別れを告げ、長い旅路を東に下る。盛久の人柄に感じた警護役の土屋は何くれとなく世話をする。
 処刑前夜、読経を続ける盛久はあらたな霊夢を受け、刑場で首をはねられようとする刹那、太刀は真二つに折れる。
 知らせを聞いた頼朝は盛久を召し出し霊夢の内容を語らせる。自分の夢と一致した頼朝は盛久を赦免し、酒を振舞う。舞をすすめられた盛久は堂々と舞って退出する。
 俗に「三盛」と言われる内容ある曲の一つ。

演者から一言

 型を見せるよりも謡を聞かせる類の曲で、前半のワキとのやりとりを如何に面白く謡うかがポイント。
 「恐之舞(かしこみのまい)」は、身分の高い人(この曲では源頼朝)の御前での舞なので、脇座近くでは拍子を踏まず途中の型も脇座に背を向けないように舞います。


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