旅僧、屋島の浦で海士の塩屋に宿を借りる。漁師親子は僧の所望にまかせ、屋島の合戦のさま、ことに景清と三保谷の錣引、佐藤継信戦死の様を語る。 僧の不審に義経の亡霊であることを、ほのめかして姿を消す。間狂言の塩屋の持ち主が現れ、僧をなじる。 僧の夢に義経が現れ、弓流しの故事を始め合戦のさまを仕方噺に見せるが、夜明けと共に鬨の声は浦風となって目覚める。
前シテが語る「しころ引き」の力感溢れる型が見せ所。老人の後ろに源義経の影が見えれば大成功! 後シテの「弓流し」の部分が、小書によって型で表現されます。 間狂言の「奈須与市語(なすのよいちがたり)」は、狂言方の重い習いとなっています。