能 遊行柳 (ゆぎょうやなぎ)



あらすじ

 諸国を布教活動で回る遊行上人が陸奥、白河の関を超えた辺りで一人の老人に声を掛けられ「朽木の柳(くちきのやなぎ)」を案内される。上人が名前の由来を尋ねると昔西行法師が「道の辺に 清水流るる 柳蔭 暫しとてこそ 立ちとまりつれ」と詠んだ名木であると教え、その後上人より十念を授かり柳の蔭に姿を消す。その夜上人が念仏を唱え待っていると夢中に白髪の柳の精が現れ、上人の十念、西行法師の和歌の徳などによって草木までも成仏出来たと報謝の舞を舞い夜明けと共に消え失せる。

演者から一言

「三老人」(「西行桜」「遊行柳」「木賊」いずれも老人物として序之舞を舞う最難曲)のくくりで重い扱いを受け、観世流では九番習の免状物になります。 非常にしっとりとした中に力強さがある独特の曲趣で、上演時間が100分超の大曲であり、初めて能をご覧になる方には少々お辛い選曲になるかもしれませんが、「幽玄」の雰囲気をとことん味わいたい方、通の方にはお薦めの曲です。


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