美濃国に薬の水がわき出たとの知らせに 派遣された勅使は 発見者の親子に会い、現場を視察する。奇瑞に感動して復命しようとすると山神が出現して 聖代をことほぐ舞を舞う。 「水波之伝」は後場が大きく変わり、 間狂言の代わりに天女姿の観音菩薩が舞を舞い、山神も黒がしらに輪冠、 面も代わり、 舞いも極端に早く、緩急・調子もあがり、見応えある演出となる。 水波とは、仏は水、それが形の現れ方によって 神となるという、中世の宗教思想から案出された。