4.2004年6月20日「能を知る会 東京公演別会」の記録です。

「蝉丸(せみまる)」・狂言「仏師」・能「船弁慶(ふなべんけい)」

講演「替之型」
増田正造氏

蝉丸の替之型は作物の場所が
笛座に変わります
シテ 蝉丸:中森貫太 ワキ:殿田謙吉師
道行が長いので輿のワキツレは大変です
物着で出家し沙門帽子に水衣の姿となります
面は専用面の「蝉丸」です
ワキから初めて傘や杖を渡されて
興味深げに眺めています
間狂言 博雅三位:山本則孝師
大阪山に捨てられている蝉丸を助けます
藁屋を作ってその中に蝉丸を入れて
お世話をします
シテ逆髪:観世喜正師
摺箔裳着胴(すりはくもぎどう)に緋長袴
鬘は乱れ髪のイメージで両側を垂らして
手には笹を持っています
蝉丸の琵琶の音に気づき
姉宮(逆髪)と再開する

この型は琵琶を弾いている型です
殆ど動けないシテの数少ない型です

涙の別れをする二人
蝉丸は浅黄の指貫でした

狂言「仏師」
シテ 山本則俊師 アド 山本則重師

自らが面を掛けて仏像になりすまします
これは「物欲しそう」なポーズ

仕舞「鵜之段」 遠藤喜久師
鵜を川に放ったところ

仕舞「野守」 奥川恒治師
扇を二本使う珍しい曲です

仕舞「景清」 観世喜之師
故を使う習物の仕舞です

能「船弁慶 重キ前後之替」
ワキ 武蔵坊弁慶:村瀬純師
子方 源義経:徳増裕貴君

実はこの時彼は左腕を骨折して
ギブスで固定していました
でも最後まで頑張って勤めてくれました

シテ 静御前:五木田三郎師
面は「若女」です

物着で烏帽子を附けて別れの舞を舞います
紅白段枝垂桜の唐織を着ています

舟に乗り西国を目指す義経一行
間狂言 船頭:山本則俊師

半幕を上げて幕内より謡い掛けます
小書の時の演出です

義経と闘う平知盛の亡霊
黒頭に梨打烏帽子を載せ
狩衣を「衣紋附(えもんづけ)」に着ています
波間に漂う知盛
黒頭には鍬形(くわがた)も附けています

質疑応答も盛況でした
皆様、長時間お疲れ様でした

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